あなたは「広告」と聞いてどんなイメージがありますか?テレビCM、チラシ、看板、YouTubeを視聴している途中で出てくるものなど様々な広告が世の中にあります。最近は何にでも広告がついているので広告に対して「良い印象があまりない」という人も増えてきているという調査結果がありますが、なぜ今でも大企業は広告を出し続けていて、広告は企業にとって大事なマーケティング戦略になりうると言われつづけるのでしょうか?今回は広告業界の中でも成長市場である「インターネット広告」についてご紹介していきます。
インターネット広告市場
成長していくインターネット広告市場
インターネット広告の市場は近年急速に成長をしています。ある企業の調査によると2019年には世界で3190億ドル(日本円で約34兆7000億円)、日本だけでも2兆円以上の市場規模があるとされています。これはこの金額がインターネット広告費として消費者の認知のために使われていることを意味します。ちなみにこの金額は新聞、ラジオ、雑誌、テレビ、マスコミの全ての広告費を合わせた金額と同じ程度の規模になります。インターネット広告市場は成長率も高く、毎年拡大し続けています。
広告の種類と説明
リスティング広告
リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれており、検索エンジンに出る検索結果に連動した広告です。検索連動型とは例えばユーザーが「トマト」と調べたら、「トマト」に関する広告が出る仕組みの事をさします。
リスティング広告のメリット
この様に検索意図に合わせた広告が表示されるのでコンバージョン率(クリック率)が高くなっています。検索キーワードに関連付けられた広告が表示されるので、ユーザーの関心度が高く、他の広告と比べてクリック率が高くなります。出稿主は広告がクリックされるごとに課金される「クリック課金」という形で広告費を払っており、いくらまで支払うのかは出稿主が決めることができるので、ビジネスの大きさによって自由に広告費が設定できます。
リスティング広告のデメリット
デメリットとしては、テキストで構成されているため視覚に対する訴求効果が低いことが挙げられます。動画広告やディスプレイ広告は字を読まなくても良いため、ユーザーに「何を宣伝しているのか」を伝えることに長けています。リスティング広告ではそのような効果が見込みづらいので、もともと興味関心度合いの強いユーザーしかターゲットになりません。もう一つのデメリットは、クリック率が低いことです。今やどこにでも広告が表示されるため、ユーザーは基本的に広告に対していい感情を持っていません。リスティング広告には他の検索結果と区別するために広告のラベルが表記してあるため、ユーザーは無意識に敬遠してしまう傾向にあるのです。
動画広告
動画広告は通信技術の発達によりたくさんのデータが短時間で通信できる様になった近年、成長している広告の種類です。
動画広告のメリット
動画広告のメリットは訴求力が高い、ブランドイメージが伝えやすいことです。訴求力が高い理由は、動画だと「音声」と「イメージ」の2つの経路からユーザーに内容を伝えることができるからです。視覚と聴覚の両方から情報を得られるため、文字だけでは伝えづらい感情の抑揚も伝えやすくなります。ブランドイメージが伝えやすい理由は、制作過程や使っているイメージ、店舗内の様子などをブランドストーリーとして表現することができるためです。
動画広告のデメリット
デメリットは、「早くなったとはいえロードに時間がかかる」「制作にかかるコストが高い」「文章とは異なる伝え方が必要になる」点です。
いくら通信速度が早くなったとはいえテキスト広告と比べると読み込みには時間がかかります。必然的にロードに時間がかかってしまうことで、ユーザーの離脱率が上がってしまうリスクや、サイトの評価が低下してしまうリスクが発生します。
また動画編集にはそれなりの技術が必要になってきます。プライベートで動画を作るだけであれば技術力は求められないのですが、企業のPRとなると一定のクオリティが求められます。0から学ぼうとすれば時間と学習のコストがかかり、外注するとなると外注費(金銭的コスト)がかかってきます。
最後の文章とは異なる伝え方が必要になる理由は、動画と文章ではメッセージの伝わり方がまったく違ってくるからです。画像、キャッチコピー、音楽など動画広告はさまざまな要素が混ざり合って構成されており、文章の様に文の構成のみを考えれば良いというものではありません。動画の長さ、カット編集の仕方でユーザーに与える印象は大きく変わります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは「テキストや画像を使ってユーザーにリーチができる」広告です。またリスティング広告と同様に、効果測定・ターゲットの設定が可能となっています。
ディスプレイ広告のメリット
ディスプレイ広告のメリットは「さまざまな形式の広告が設定できる」「画像+文章なので相手に伝わりやすい」ことです。ディスプレイ広告にはバナー型やスカイスクレイパー型やモバイル型など、多種多様な広告形態があるので、ブランドの雰囲気に合わせた広告を選択することができ、初めて広告を使う方や訴求力をあげたい方におすすめの広告です。
ディスプレイ広告のデメリット
デメリットとしては「画像素材を取得しなくてはならない」「傾向的にリスティング広告よりもクリック率が低い」ことが挙げられます。前述したように、「画像+テキスト」の形態で広告が表示されるため、広告にあった画像の選定が必要になってきます。いいと思った画像があっても希望しているサイズと違っていたり、広告に対して邪魔なものがあれば画像編集ソフトで編集しなければなりません。画像編集のソフトを全く触ったことがない人にとってはそれなりに大変な作業になるでしょう。
また、アメリカの広告マーケティングの企業が行った調査によると、「ディスプレイ広告はリスティング広告よりも平均して1.5%ほどクリック率が低い」ことが判明しており、コンバージョンを獲得するには効率の良い広告とはいえないのが実情です。しかしこの調査結果は全てのジャンルの平均値になるので、中にはクリック率が高いジャンルも存在するでしょう。
リターゲティング広告
ディスプレイ広告の中でも高い効果を見込める広告形態を一つご紹介します。「リターゲティング広告」と呼ばれるものです。リターゲティング広告とは一度サイトを訪れたことがあるユーザーや、広告をクリックしたが離脱したユーザーに再度表示する広告です。しつこく思われてしまう可能性もありますが、再度アプローチをかけることで購入率を上げることができるので、主にショッピングサイトを運営している方におすすめの広告形態です。
まとめ
今回はWEB広告の種類と内容についてご紹介してきました。WEB広告の最大の利点はどんなユーザーが見ていて、何人に見られているか等のデータ計測が出来る点だと思います。
取得したデータを分析することで、より最適な広告運用が可能になり、費用対効果の大きい広告運用が見込めるでしょう。またデータの解析にはグーグルアナリティクスやキーワード順位の計測等を使うことになります。取得データを広告の種類に応じて分類し、自社のサービスにあった広告や課金方法について考えていくことで効果的な広告運用ができるようになります。ぜひ本記事を参考いただき、WEB広告に挑戦してみてください。