インターネット、ソーシャルメディアの普及

コンテンツ・マーケティングに注目が集まっている理由には、インターネットの普及による情報流通構造の変化と、YouTube、Facebook、Twitter、LINEといったソーシャルメディアの普及があります。

インターネット登場以前は、製品・サービスの比較をするためには、自分の足を使って複数の店舗を回る必要があり、手間や時間がかかるのに加えて、比較可能な範囲も限定的でした。口コミの意見や感想を発信する場合においても、発信の場や発信の影響は限定的でした。

インターネットの普及による購買プロセスの変化

総務省の調査によると、インターネットの普及によって消費者の購買プロセスに変化が生まれたと分析されています。インターネットが普及した現在の商品・サービスの購買プロセスはAISCEASといわれています。

例えば、夏に新しい服を買う時を考えてみよう。クールビズ対策が重要だと感じていたところ、テレビの情報番組で紹介していたブランドAのシャツに注意を向ける(Attention)。そして、そのシャツが「何となく涼しそうだ」と、興味・関心を抱き(Interest)、実際にブランドAのシャツの情報収集、つまり、検索(Search)を行う。ここまでの行動によって、具体的な評価を伴い、ブランドAのシャツに対して興味・関心を抱くことになるが、即座に購入するわけではなかった。そこで、他ブランドのシャツとの製品比較(Comparison)や、アウトレットショップなど別店舗との価格比較をし、店員から購入者の評判などを聞き、意思決定の補強・裏付けとする検討(Examination)も行った上で、購入の意思決定を行い、行動(Action)に移る。その後、会社の同僚にこの商品のことを話し、共有(Share)をする。

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h23/html/nc213330.html

検索エンジンを使っていつでもどこでも知りたいことを検索できる状態は、情報取得の行動を受動的なものから、自分自身が必要としている情報を探すという能動的なものへと変化させました。また、ソーシャルメディアの爆発的な普及により、誰でも簡単に口コミ情報を配信できるようになりました。

「興味があるコンテンツを検索して見つけること」と「口コミによりコンテンツを広めること」が広く一般的になったことで、有益なコンテンツは 1)検索エンジンにヒットしやすくなり2)ソーシャルメディアでシェアされ情報が自然に拡散されていくようになりました。

このような情報流通構造の変化とソーシャルメディアの普及が組み合わさったことにより、自社サイトやブログなどで自前のメディアを持ち情報配信をおこなうコンテンツ・マーケティングに世界中から注目が集まっています。