音声広告の特徴および効果

急成長するコンテンツPodcastとは#1」では音声コンテンツのユーザー数増加について、「急成長するコンテンツPodcastとは#2」ではビジネスにおいても急成長する音声メディア市場について紹介しました。本記事では、ビジネスとして音声メディア(特にPodcast)を使用する場合に気になる音声広告の特徴と効果について探っていきます。

ディスプレイ広告と音声広告の違い

従来のディスプレイ広告は大きく分類するとテキストのみの広告とテキスト×動画の広告と動画のみの広告に分けられます。その中で広告の表示方法によって「バナー広告」「ポップアップ広告」「スクロール広告」などがあり、一見して広告と気付きづらい「ネイティブ広告」の中にも「インフィード型広告」「検索連動型広告」「レコメンドウィジェット型広告」など非常に豊富なフォームが存在しています(「コンテンツのためのネイティブ広告活用法」参照)。

なぜこれほどまでに種類があるのかと言えば、広告自体がユーザーにとって好ましくないもの、見たくないものであるから、と言えます。TVのCMも、YouTubeで動画の途中に流れるTrueView広告も、ブログを読んでいると急に出てくるポップアップ広告も、「邪魔だから飛ばしたい」と感じたことがある人がほとんどでしょう。

音声広告が優れているのは広告のタイミングで離脱するユーザーが少ないということ、テキストで広告を見る場合と比べてブランドへのイメージ想起効果が高いこと、購買意欲につながりやすいという点です。

音声広告の特徴

上記のように音声広告が優れている理由はその特徴にあります。

「ながら聴き」のリスナーが多い

2019年に英国BBCグローバルニュースが行った調査によると、Podcastリスナーの94%が通勤しながら、家事をしながら、作業をしながらコンテンツを聴いていることが分かっています。そして、ながら聴きをしているリスナーはコンテンツだけを集中して聴いているリスナーに比べ、広告が流れている最中の離脱率が最大85%低いことがわかりました。

スマートスピーカーから流れる広告は嫌がられにくい

2019年に米国で行われたスマートスピーカーに関する調査で、調査対象の消費者1000人のうち、39%が「スマートスピーカーから流れる広告は他の広告よりも興味をひく」と回答、38%が「従来の広告より押し付けがましくない」と回答しました。

ブランドのイメージ想起効果が高い

2018年に米国で行われた調査でPodcastの音声広告は従来の広告に比べて4.4倍ブランド想起効果があることが分かりました。あるブランド企業が運営する番組内で「イノベーション」という言葉を12回使用したところ、その番組を聴く前と後でブランドが「イノベーティブだ」と回答した割合が6%増加しました。

2020年にSpotifyジャパンが「音声のみの広告」「動画のみの広告」「音声+動画広告」の3つのフォーマットでそれぞれのブランド伝達強度を調べました。すると、「音声のみの広告」が他2つの手法と比べて優位にブランド伝達強度が高いことがわかりました。同社は、「動画を使用する広告」では広告内にブランドロゴ以外の情報(背景映像など)が入るが、「音声広告」ではそのような情報伝達を阻害する情報がないため、ブランド伝達強度が高いのではないかと考察しています。(参照:https://youtu.be/VUsrUGgv0gw

音声広告の効果

上記のように、音声広告は「嫌がられづらいため離脱率が低く」、「効果的にブランドのイメージを伝える」ことが分かっています。では、広告を聞いたリスナーにはどのように響くのでしょうか。

購買意欲につながりやすい

インターネットラジオの最大手であるRadikoが行った調査で音声広告ではブランドに対する好意、興味関心、利用意向に効果的であることがわかりました。広告を聞いた人は聞いていない人に比べて、認知度が1.22倍、興味関心度が1.61倍、購買・サービス利用意欲が1.52倍高くなっていました。

また、多くの人はPodcastを聴くときに気に入った番組を定期購読します。そのためホストやその番組に愛着を持つようになり、番組内で紹介されている商品やサービスを好意的に捉えると考えられます。

まとめ

音声広告は他の広告フォーマットと比べて良い特徴と効果を持っています。市場がどんどん拡大していっているブルーオーシャンであるところも魅力のひとつです。すでにたくさんリスナーを獲得している番組とタイアップしたり、番組内でのプロモーションを依頼する形もいいですし、自社の番組を立ち上げることができれば大きな資産になることは間違いないです。ぜひ音声広告の活用を検討してみてください。